難民認定申請(Refugee Recognition)

難民認定申請(Refugee Recognition)

難民認定制度とは難民条約第1条又は議定書第1条の規定により定義される難民を意味し、それは、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができないか又はそれを望まない者とされています。

難民認定された場合
・難民として認定されれば日本に在留が可能となり難民条約に定める各種の権利が発生難民の認定を受けた外国人は、原則として締約国の国民あるいは一般外国人と同じように待遇され、我が国においては国民年金、児童扶養手当、福祉手当などの受給資格が得られることとなっており、日本国民と同じ待遇を受けることができます。

・難民旅行証明書の交付
難民の認定を受けた外国人が外国に旅行しようとするときは、難民旅行証明書の交付を受けることができ、難民旅行証明書を所持する外国人は、その証明書に記載されている有効期間内であれば、何度でも日本から出国し、日本に入国することができます。

難民認定制度の流れ

難民認定申請
申請書類作成後、地方入国管理局に対して難民認定の申請を行います。 申請者には難民認定が必要な状況であることについてインタビューの実施があります。

仮滞在許可
不法滞在者等の在留資格未取得外国人から難民認定申請があったときは、その者の法的地位の安定を図るため、当該外国人が本邦に上陸した日(本邦にある間に難民となる事由が生じた者にあっては、その事実を知った日)から6か月以内に難民認定申請を行ったものであるとき又は難民条約上の迫害を受けるおそれのあった領域から直接本邦に入ったものであるときなどの一定の要件を満たす場合には、仮に本邦に滞在することを許可し、その間は退去強制手続が停止されます。なお、仮滞在許可の判断は、難民認定申請者から提出のあった難民認定申請書等の書類により行いますので、別途、仮滞在許可のための申請は必要ありません。

・仮滞在許可による滞在
仮滞在許可を受けると一時的に退去強制手続が停止され、仮滞在期間の経過等当該許可が終了するまでの間は、適法に本邦に滞在することができます。

・仮滞在許可書
法務大臣が仮滞在の許可をした外国人には、仮滞在許可書が交付されます。許可を受けている間は、この許可書を常に携帯する必要があります。

・仮滞在期間及び同期間の延長
仮滞在期間は、原則として3月です。仮滞在期間の更新申請は、許可期限の10日前から受け付けており、申請書は、各地方入国管理局、支局及び出張所の窓口に備え付けてあります。

・仮滞在許可の条件
仮滞在許可を受けた者は、住居や行動範囲が制限されるほか、本邦における活動についても、就労は禁止され、また、難民調査官から出頭の要請があった場合には、指定された日時、場所に出頭して、難民認定手続へ協力する義務が課されるなど、種々の条件が付されます。

・仮滞在の許可の取消し
仮滞在の許可を受けた者がその付された条件に違反した場合、不正に難民認定を受ける目的で偽変造された資料を提出した場合、虚偽の陳述をした場合等には仮滞在の許可が取り消されることがあります。

難民認定
難民認定によって申請人には定住者の在留資格が付与されます。パスポートの代わりとして難民旅行証明書(難民認定を受けた方が海外出国する場合)を受けることが可能です。

異議申立て
不認定の場合、異議申立てを行うことができます。

・異議申立人
難民認定がされなかった外国人や、難民認定を取り消された外国人は、法務大臣に対して異議申立てをすることができます(入管法61条の2の9)。

・異議申立期間
原則として難民認定をしない旨の通知、または難民認定を取り消した旨の通知を受けた日から7日以内

異議申立人の住所または現在地を管轄する入国管理局

・異議申立てに必要な書類
①異議申立書
②異議申立の理由を立証する資料

・法務大臣の決定
法務大臣が、異議申立てに理由がある旨の決定をし、難民と認定された外国人には、難民認定証明書が交付されます。難民と認められた外国人が、一定の要件を満たす場合は、定住者の在留資格が与えられます。また、一定の要件を満たさない場合でも、在留を特別に許可すべき事情がある場合は、特別に在留を許可されることがあります。

退去強制
異議申立てが却下され、或いは難民認定について訴訟提起し敗訴した場合は、退去強制処分を受け出国することになります。

難民認定者数

(1) 2010年における難民認定者数
2010年に、日本において難民認定申請を行った者は1,202人で、前年に比べて186人減少。この中で難民認定をした者は39人。難民認定をしなかったが、人道的な理由から在留を認めた者は363人。
申請者の主な国籍は、ミャンマー343人、スリランカ171人、トルコ126人、ネパール109人、インド91人。

(2) 2009年における難民認定者数
2009年に、日本において難民認定申請を行った者は1,388人で、前年に比べて211人減少。この中で難民認定をした者は30人。難民認定をしなかったが、人道的な理由から在留を認めた者は過去最高の501人。
申請者の主な国籍は、ミャンマー568人、スリランカ234人、トルコ94人、パキスタン92人、インド59人。

(3) 2008年における難民認定者数
2008年に、日本において難民認定申請を行った者は1,599人で、前年に比べて783人増加。この中で難民認定をした者は57人。難民認定をしなかったが、人道的な理由から在留を認めた者は360人。
申請者の主な国籍は、ミャンマー979人、トルコ156人、スリランカ90人。

在留特別許可・仮放免許可取得手続き